ハローワークの紹介状とは【選考で有利になるんでしょ?】

ハローワークの紹介状は、ハローワークの求人に応募するときに、応募書類と一緒に企業に渡すものです。「紹介状」と聞くと、選考で有利に取り計らってもらえるものと誤解する人もいるかもしれません。でも、紹介状があるからと言って、採用の確度が上がるわけではありません。

ハローワークの紹介状の実体は、企業が国から助成金を支給してもらうための申請書類の一部だからです。

ハローワークで紹介状を出してもらうと職業紹介にあたり、失業保険(雇用保険)の求職活動実績になります。なお、職業紹介はハローワークに限らず、転職エージェントの紹介を利用した場合も求職活動実績です。

ハローワーク紹介状とは

ハローワークの紹介状の画像

ハローワークの紹介状とは、ハローワークの求人に応募するときに必要とされる書類のことです。紹介状を出してもらうと、その企業にはハローワークが紹介状を出したということが連絡されます。求職者は、紹介状を同封してなるべく早めに応募する必要があります。

紹介状は何に使うのか

ハローワークの紹介状は、ハローワークの求人への応募に使います。

求人に応募するときに応募書類と同封して企業へ送ります。企業に持って行くときも同じです。

ハローワークに求人を出している企業が紹介状を必要とする理由は、企業が国に助成金を申請するときに必要な書類だからです。そのため、求人票にも「面接までに紹介状を用意すること」などと記載されています。

企業側が紹介状を必要としているのか

紹介状は求職活動実績

ハローワークの紹介状が求職活動実績になることを示す画像

ハローワークで紹介してもらうと、職業紹介という求職活動実績にあたります。職業紹介の終わりに雇用保険受給資格者証にスタンプが押されます。

職業相談後に紹介状は実績2回分

一連の活動だが、2回以上の求職活動実績とみなす場合

(1) 職業相談に引き続き職業紹介を受けた場合

職業相談を受けたあとに紹介状を出すことになったときは、職業相談と職業紹介になるため合計2回の求職活動実績になります。

この判断はハローワーク(相談員)によります。相談を開始して早々に紹介状を出してもらったときは職業紹介だけとみなされることがあります。

仕事の探し方や適職について職業相談を受けたつづきで職業紹介になったときは、「相談と紹介で2回の実績になりましたね。」と教えてくれる優しい相談員もいます。

いずれにしても、雇用保険受給資格者証に「職業相談」や「職業紹介」のスタンプを押されるので、どんな求職活動実績になったのかはスタンプを見るとわかります。

相談と紹介の連続技は知らなかった

ハローワーク紹介状の流れ

  1. ハローワークの求人パソコンで求人を探し、求人票をプリントする。
  2. ハローワークの受付で「この求人票の紹介状を出してほしい。」と伝える。
  3. 相談窓口で求人票を見せて、紹介状の発行をお願いする。
    「この求人の紹介状を出してほしいんです。」
  4. 相談員が企業に連絡して了解が得られれば、紹介状を出してもらえる。

ハローワークの求人パソコンを利用して自分で求人を探す場合、その求人票を相談窓口で見せてお願いすれば紹介状を出してもらえます。

相談員が紹介状を出すときは、基本的には事前に企業から了解を得て発行します。ただ、企業によっては了解を必要としないケースもあります。

紹介状を入手したあとの流れ

  1. 応募書類(履歴書・職務経歴書・添え状)を作成する。
  2. 紹介状と応募書類を送る。
  3. 企業から面接の連絡をもらう。
  4. 面接して、採否の結果を待つ。

ハローワークの紹介状を入手したあとは、紹介状と一緒に応募書類を企業に送ります。企業側は、ハローワークから紹介状が発行されたことを知っているので、なるべく早めに応募するようにします。

企業に直接、紹介状を持って行く場合も、応募書類と一緒に企業に手渡します。

ハローワーク紹介状の期限

ハローワークの紹介状に有効期限はありません。紹介状・応募書類を企業に送るのは自分の都合で構いません。

ただ、求人には掲載期限があるし、求人にはほかの応募者もいます。期限が無いからといって応募するのが遅くなると、採用の確度はどんどん低くなっていくでしょう。

ハローワークから紹介状が発行されたことは、企業側も知っています。なるべく早くに応募するのが礼儀です。

紹介状の郵送期限

ハローワークの紹介状には期限が無いため、郵送期限もありません。

ハローワーク側は、「3日以内に応募してください。」と案内することが多いようです。郵送期限は3日以内と考えておくのが良いでしょう。

紹介状を放置すると…

ハローワークの紹介状を放置すると、そのあとハローワークから紹介してもらうのが難しくなるでしょう。ハローワークは企業と連絡し合って紹介状を出しています。求職者が紹介状を放置すると、ハローワークの面目めんもくが立たなくなってしまいます。

もし「応募しないことにした。」「応募できない状況になった。」というときは、その旨を企業とハローワークに伝えることがルールになっています。

ハローワーク紹介状なしで応募

ハローワークが扱っている求人は、ほとんどが応募のときに紹介状を必要としています。ただ、なかには紹介状なしで応募できる求人もあります。

紹介状が必要な求人は、求人票に「紹介状が必要です。」という文言が書かれています。

紹介状を無視して応募

ハローワークで紹介状を受け取ったものの、その紹介状を無視して応募することはできません。企業側がハローワークに求人を出すときに紹介状の必要性を条件に入れているため、紹介状を無視して応募すると「ハローワークの紹介状は?」と聞かれることでしょう。

紹介状はなぜ必要か

企業側がハローワークの紹介状を必要としているもっともな理由は、国から支給される助成金にあります。

助成金支給の条件に当てはまる求職者を雇用すると、企業は国に助成金を申請します。その雇用を証明する書類として紹介状が使われます。つまり、企業側にとって紹介状は助成金を申請するときの必要書類となっているわけです。

紹介状で申請できる助成金

  • 特定求職者雇用開発助成金:高齢者・母子家庭・被災による離職者などを雇用した企業に助成。
  • トライアル雇用助成金:職業経験不足・就労経験不足などで就労困難な求職者を試行的に雇用した企業に助成。
  • 地域雇用開発助成金:雇用情勢が厳しい地域の企業に助成。

ハローワークの紹介状を求職者から受け取った企業は、上のような助成金を国に申請できます。

ハローワーク紹介状のメリット・デメリット

ハローワークの紹介状には、求職者側にあまりメリットはありません。紹介状と聞くと、選考で有利に取り計らってもらえそうな印象を持つかもしれませんが、そのような効果はありません。

ハローワークの紹介状は、助成金申請書類の一部ってこと

メリット

  • 職業紹介にあたるため、求職活動実績になる。

ハローワークで紹介状を出してもらうと職業紹介にあたります。失業認定申告書3-(1)(ア)で申告できる求職活動実績になります。

求職者にとって紹介状のメリットはあまりありません。紹介状があると選考・面接が有利になるということは無いからです。ハローワークの紹介は求職者にとって形式的なものでしかありません。

デメリット

  • 自分で応募していかなければならない。
  • 紹介状を出されると辞退するときに大変。

ハローワークの紹介状で応募する場合は、応募や面接の調整をすべて自分でやらなければなりません。応募書類のアドバイスや面接の調整をしてくれる転職エージェントと大きく違う点です。

選考過程(応募や面接の調整など)の手間を軽くしたいなら、転職エージェントの紹介を頼るのも良い方法です。

ハローワークの紹介状は、企業側にメリットがあります。まず、ハローワークでの求人掲載にはお金がかかりません。紹介状を国から助成金が支払われます。

まとめ

  • ハローワークの紹介状はハローワークの求人への応募に使う。求人に応募するときに応募書類と同封して企業へ送る。
  • ハローワークで紹介してもらうと、職業紹介という求職活動実績にあたり、職業紹介の終わりに雇用保険受給資格者証にスタンプが押される。
  • ハローワークの求人パソコンを利用して自分で求人を探す場合、その求人票を相談窓口で見せてお願いすれば紹介状を出してもらえる。
  • ハローワークの紹介状を入手したあとは、紹介状と一緒に応募書類を企業に送る。企業側は、ハローワークから紹介状が発行されたことを知っているので、なるべく早めに応募する。
  • ハローワークの紹介状に有効期限はない。ただ、応募するのが遅くなると、採用の確度はどんどん低くなっていく。
  • ハローワークで紹介状を受け取ったものの、その紹介状を無視して応募することはできない。企業側がハローワークに求人を出すときに紹介状の必要性を応募条件に入れているため。
  • 企業側がハローワークの紹介状を必要としているもっともな理由は、国から支給される助成金にある。
  • ハローワークで紹介状を出してもらうと職業紹介にあたります。失業認定申告書3-(1)(ア)で申告できる求職活動実績になる。