給付制限2ヵ月でも支給は3ヵ月後!期間中の求職活動実績

  • 待期明けの翌日から2ヵ月間
  • 4週間(28日)間隔の認定日とズレが生じて、支給はさらに後になる
  • 給付制限明けの最初の支給額も少なくなる

給付制限とは、自己都合で退職した場合に失業手当の支給を2ヵ月間、見合わせる措置のことです。※以前は3ヵ月間でしたが、現在は2ヵ月間となっています。

「待期」「待機期間」と誤解する人もいますが、待期と給付制限はちがうものです。給付制限は待期明けの翌日から2ヵ月間の期間です。

給付制限は、失業手当の支給にさまざまな影響を及ぼします。給付制限のしくみを知っておくことで、給付制限を耐えしのぐか、早期就職を目指すべきか。正しく判断することにも役立ちます。

給付制限中は、自主的に1回の求職活動をする必要があります。転職サイトの求人応募セミナー受講も求職活動実績にできます。

    給付制限期間とは

    • 離職理由が自己都合の場合にかかる制限
    • 期間は待期明けから2ヵ月間(例外は3ヵ月間)
    • 求職活動は合計2回(うち自主的な求職活動実績は1回)
    • 再就職手当の求職活動に制限あり

    給付制限とは、離職理由が自己都合の場合に失業給付を見合わせる措置のことです。現在の給付制限期間は2ヵ月間です。

    • 自分から辞めたのなら、それなりの準備はしているはず。
    • 支給を見合わせることで、早期就職への意欲につなげたい。

    といった、支給側の思惑が見えます。実際、最初の支給がされるのは受給資格決定日から約3ヵ月後なので、その期間を耐え凌げる十分な貯蓄が無い人は早期就職するしかないということになってしまいます。

    給付制限は3ヵ月から2ヵ月に

    自己都合による離職で例外的に給付制限が3ヵ月になる場合を説明する画像

    給付制限は3ヵ月間という認識を持たれる人も多いかもしれませんが、2020年10月1日から2ヵ月間に短縮されています。

    ただし、例外があります。今回の離職日から過去5年間に自己都合の離職が2回以上あると、今回の失業給付の給付制限は3ヵ月間になります。

    はじめて失業保険を受給する人なら、必然的に給付制限は2ヵ月間ということになります。ただ、最初の支給は実質的には約3ヵ月後になります。

    最初の支給が3ヵ月後?

    給付制限期間と認定対象期間にズレが生じるからです。

    最初の支給は実質3ヵ月後

    失業手当の最初の支給が3ヵ月後になる理由を示す画像

    失業給付の最初の支給は、受給資格決定日から約3ヵ月後になります。その理由は、給付制限と失業認定の間隔にズレがあるためです。

    給付制限:待期明けの翌日から2ヵ月後の同日まで。

    失業認定:受給資格決定日を基点に4週間(28日)間隔。

    結局、給付制限期間が過ぎても、次の失業認定のタイミングまで待つことになります。そのせいで最初の支給は約3ヵ月後になってしまいます。

    さらに最初の支給額は通常の支給額(28日分)よりもだいぶ少なくなります。

    できるだけ支給したくないみたいだな

    給付制限中の求職活動

    認定日 必要な求職活動回数
    最初の認定 1回(職業講習会への参加)
    給付制限明けの認定 1回(職業相談、求人応募セミナー受講など)
    合計2回

    給付制限中に最初の認定があります。受給資格決定日から1ヵ月後の認定のことです。最初の認定に必要な求職活動実績は、職業講習会の参加が自動的に実績1回分になります。

    給付制限に入ると、自主的に1回の求職活動をする必要があります。(ただし、給付制限が3ヵ月の人は自主的に2回の求職活動が必要。)

    実績になる求職活動はハローワークから仕事を紹介してもらうばかりではありません。転職サイトを利用すれば求職活動の幅も広がり、求職活動実績を楽につくることができます。

    自主的な求職活動

    セミナーが実績になるのは知らなかった

    再就職に関する活動制限

    給付制限の最初の1ヵ月間の求職活動が紹介によるものなら再就職手当が支給されることを示す画像

    早期に再就職を目指す場合は、給付制限中の求職活動のやり方に気を付けなければなりません。

    基本的には、どのような方法で求職活動しても本人の自由です。ただ、再就職手当の支給には求職活動の制限があります。

    「待期」満了後の1か月間は、ハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者の紹介により職業に就いたこと。

    東京労働局『雇用保険受給資格者のしおり』

    つまり、給付制限に入って最初の1ヵ月間に就職した場合、その求職活動が「紹介」によるものなら再就職手当を支給する。ということです。

    早期就職を目指す場合は、この活動制限を知っておく必要があります。「紹介」はハローワークにかぎらず、転職エージェントで仕事を紹介してもらうのでも大丈夫です。

    まとめ

    • 給付制限とは、離職理由が自己都合の場合に失業給付を見合わせる措置のこと。
    • 2020年10月1日から2ヵ月間に短縮されている。ただし、今回の離職日から過去5年間に自己都合の離職が2回以上あると、今回の失業給付の給付制限は3ヵ月間になる。
    • 失業給付の最初の支給は、受給資格決定日から約3ヵ月後。その理由は、給付制限と失業認定の間隔にズレがあるため。
    • 給付制限に入ると、自主的に1回の求職活動をする必要がある。(ただし、給付制限が3ヵ月の人は自主的に2回の求職活動が必要。)
    • 自主的な求職活動とは、ハローワークの職業相談、転職サイトでの求人応募セミナー受講
    • 給付制限に入って最初の1ヵ月間に就職した場合、その求職活動が「紹介」によるものなら再就職手当を支給するルールになっている。

    待期とは何?

    待期とは、雇用保険受給資格決定日から7日間の期間のことです。失業の状態が継続していることを確認する期間です。※「待機」は誤りです。

    自己都合退職にはなぜ給付制限があるのか?

    失業給付は、本人の意思でなない失業(倒産・解雇など)への生活保障と就職支援を行うことが基本となっています。

    しかし、本人の意思で離職した場合でも、失業状態が長引いた場合には生活保障が必要と考え、給付制限期間を「失業状態が長引いた」という目安にしています。